粗大ごみ VS 私


初めての一人暮らし。私はローテーブルに憧れていた。というのも実家が大きなダイニングテーブルと、リビングもローではない通常の高さのソファーという環境で育ったからである。
ガラス面で作られた横長タイプのローテーブル、そしてそれに合わせて白いローソファーを買った。
その後戦うことになるのはこの白いローソファーになる。
広々とした2人掛け、ひじ置きの部分と背面部分の角度を変えることができ、広げれば何とか雑魚寝程度ならできるぐらいの大きさのソファーだ。
素材は布ではないので汚れても拭くことができ、4年ほど使用したが、北海道に転勤になり部屋が広くなるのを機に別なソファを調達。
引っ越し前に不要な家具はリサイクルに出そうと業者を呼んだ。
「これは買い取れませんね」
そう言われてしまったのは白いローソファー。ガラス張りのローテーブルは見事買い取りされたが、このソファーのみ取り残される結果に・・・
そうなったらもう「処分」これしか選択肢はないと粗大ごみの依頼をかけたが、ここからが本番。
部屋の中までは引き取りに来てくれないとのこと(非常識で初粗大ごみ回収の私は知らなかった!!)
このデカいソファーを私は2階から1階に下ろし、指定の回収場所まで運ばなくてはならなくなった。
彼氏なし。友達いない。
頼れるのは自分のみ。
単身者が多いアパートなので人目につかない、かといってあまり騒音が気にならない昼間にバトルを決め、床が傷つかないように上下を逆さにして階段に向かう。
ゴミとなるのが決まった今、もうこのソファーが白かろうが黒かろうが気にならない。
階段の下に位置し、ソファーを下から抑えながら少しずつ下げることに成功!階段という最大の関門は突破した。
後はもう所定の場所に引きずるのみ。
粗大ごみ置き場に置かれたソファーはその場で静かに時を待つ。

処分するのが面倒くさいと嫌気がさしたソファーに対する長年の愛着がにじみ出てきて少しセンチメンタルな戦いの後となりました。


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